「NO MORE 時間泥棒!」

時間は命。私たちが診察室で「時間」を大切にする理由
こんにちは、院長の小早川です。
今日は、当院が医療機関として大切にしている「時間」という資源について、少し踏み込んだお話をさせてください。
先日、ある患者さんから一本のお電話をいただきました。
「お話を聞いてほしいだけなので、30分ほど時間をくれませんか?」 という内容でした。
この言葉を聞いたとき、私はある強い危機感を覚えました。それが久しぶりに今回の記事を書く「引き金」となっています。
「30分だけ」は、誰かの命を奪うこと
「たった30分」と思われるかもしれません。 しかし、医療の現場において、その30分は決して「たった」ではありません。
もし私が一人の患者さんの「人生相談」に30分を費やしたとしたら、その影では、今まさに激しい痛みや苦痛に耐えながら順番を待っている他の患者さんの「命の時間」を、30分間奪い続けていることになります。私の命も有限です。
私の尊敬する日野原重明先生は、著書『いのちのおはなし』の中でこう説かれました。
「いのちは、きみたちのもっている時間だといえますよ。」
命とは、心臓の鼓動だけではありません。私たちが自由に使える「時間」そのものが、命の実体なのです。 安易に「話を聞いてほしい」と他人の時間を求めることは、厳しい言い方をすれば、他人の「命」を軽視することに他ならない。私はそう考えています。
診察室は「お悩み相談室」ではありません
本来、時間をかけてじっくりとお話を聞くカウンセリングには、それ相応の専門施設と適切な対価(自費診療など)が存在します。
当院の役割は、限られた医療資源の中で、医学的な知見に基づき「病気」や「不調」を診断し、治療することです。
- 具体的な症状の相談(医療相談):全力で向き合い、私の時間を注ぎます。
- 目的のない人生相談や愚痴、世間話:当院の役割ではありません。
映画館で上映前に流れる「NO MORE 映画泥棒」というメッセージがありますが、私は当院の合言葉をこう決めました。
「NO MORE 時間泥棒!」
私たちの約束と、皆さんへのお願い
時間は無限ではありません。 私たちは、プロフェッショナルとして皆さんの「命の時間」を無駄にしないよう、ITを駆使し、効率的で精度の高い診察に全力を尽くします。
その代わり、皆さんにもお願いがあります。 診察室では、一番困っている症状を簡潔に教えてください。 世間話ではなく、「医学的な対話」に集中しましょう。
最後に
「冷たい先生だ」と思われるかもしれません。 しかし、私はあなたの時間を、そして次に待っている患者さんの時間を、誰よりも大切にしたいのです。
最高の医療を提供するためには、研ぎ澄まされた「時間」が必要です。 この宇部市の地域医療を守り、一人でも多くの患者さんに適切な処置を届けるため、「NO MORE 時間泥棒!」へのご理解とご協力をお願いします。


