本気ですか?「ハンドドライヤー「使用しない」経団連 ガイドライン見直しへ」

Go Toキャンペーンをきっかけに始まったコロナウイルス感染症の第三波。(まあ、第二波がおさまっていないという考え方もありますがそれはさておき)。

驚くべきニュースが入ってきました。

ハンドドライヤー「使用しない」経団連 ガイドライン見直しへ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201122/k10012725281000.html

ハンドドライヤーが「良くない」というのはコロナ渦以前から医療関係者の間では常識です。

数年前に私が嘱託医を始めた特別養護老人ホームで最初に着手したのは「ハンドドライヤーの使用禁止」でした。
感染症はウイルスだけではありません。医療・介護の現場では薬剤耐性菌との戦いがあります。
コロナウイルス感染症の陰に隠れてなおざりにされている感じはありますが、コロナ渦が終息した後もこの問題は残ります。
コロナ渦で良かったと思えることの一つが「ハンドドライヤーの禁止」でした。水回りには緑膿菌をはじめとして、抵抗力の弱った患者には有害な菌があふれています。ハンドドライヤーはこれらを周囲にまき散らす、有害無益な物です。
もちろん、理論的には完璧な手洗いを行い、消毒薬を使い、完全に滅菌されて濡れている手をドライヤーで乾かすのはアリでしょう。
しかし、そんなことが出来る人はこの世に存在しません。

お願いです。ハンドドライヤーの再開だけは止めてください。コロナだけの問題ではなく、国民の衛生に対する意識が下がるだけです。

コロナ渦をきっかけに衛生観念が向上しています。せっかく向上しているので、これを続けて、次の感染症に備えてください。

本丸はいずれやってくる新型インフルエンザです。コロナの陰で香川県でも発生している鳥インフルエンザ。これはとても怖いです。人に感染するようになり、ヒト-ヒト感染を起こすようになったら、今のコロナウイルス感染症の様にのんびりはしていられなくなります。

いま、コロナ渦をきっかけに感染対策について基礎体力・知的体力をつける時期です。

ハンドドライヤーを作っているメーカーの方々には申し訳ないのですが、サンクコストと割り切って、別の方向にシフトした方が良いでしょう。

ぜひ、手洗いをした後にペーパータオルを使ってください。ペーパータオルはテーブルの上に直置きにするのではなく、壁付のちゃんとしたペーパータオルホルダーに装填してください。(水滴は重力に従って上から下に落ちます!)
ホルダーも質が悪い物を使うと、ちゃんと出てこないことがあります。
「ただ設置すればいいや」ということではなく、「本当に機能する物」を設置してください。

感染症について様々なことが一般国民にバレてしまった現在、もう元の世界に戻ることは出来ません。仮にコロナが終息したとして、「普通に同じ空間にいるだけで、他の人の吐いた息を吸い込んでしまう可能性がバレてしまっています」ハンドドライヤーの危険性についても一般にバレてしまいました。

聡明な経団連の皆さん。お願いです。これ以上リスクを増やし、医療関係者に負荷をかけることは止めてください。

ハンドドライヤー

ハンドドライヤー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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