典型的な「風邪」とは?

風邪の季節を迎え、喉の痛みや咳を訴えて来院する人が増えてきました。

一口に風邪といっても、人によってとらえ方は様々です。

「腸に来る風邪」と行った表現をする人がいるように、「風邪」の定義はそれぞれです。

通常、私たち医療者が「風邪」といった場合、それは「ウイルス性上気道炎」を指します。

ウイルスが鼻や喉から入り込み、そこで増殖します。

典型的な風邪の経過を見ると、

  1. 喉の痛みから始まる。
  2. 鼻水が出始める。
  3. 最後に咳が出る。

といった順番で進行します。

全身性の熱はその途中で出たり、出なかったりします。

ですから、1→2→3の順番で症状が出てきたときは、

「典型的な風邪」と見なすことが出来ます。まずは、美味しいものを食べてゆっくり休んでいれば、いずれは自然に回復していきます。

しかし、この順番通りにならない場合、患者さんが「風邪をひきました」と、自ら言って来院してきても、風邪ではないことが、多々あります。

症状が「咳と熱だけ」の場合は、普通の風邪ではなく、気管支炎やそれに付随した喘息かもしれません。

典型的ではない「風邪症状」の場合、注意が必要なのです。